マンション売却時の値引き交渉
2023/12/23
マンション売却では売り出し価格で成約できるケースはほぼありません。買主から値引き交渉を持ちかけられるケースがほとんどです。
この記事では、マンションを売却する際の値引き交渉で、できるだけ金額を抑える賢い対応方法を解説しています。
交渉が苦手な人でも大丈夫なようにポイントをまとめているので、チェックしてください。
値引き交渉する際の心構え
まずは、購入希望者側から値引き交渉を持ち掛けられるタイミングについて知っておきましょう。内覧後に不動産業者を通して渡される「買付証明書」によって、値引き交渉が入るのが一般的です。
買付証明書とは
内覧した人の購入条件を仲介業者が書類にまとめたもの。書類は業者から売主に渡す流れになっており、購入申込書ともいう。
この買付証明書には、必ず買主側の希望購入価格が記載されており、売り出し価格よりも低い金額が記入されることがほとんどです。
売り出し価格:3,500万円
希望購入価格:3,250万円
値引き交渉を持ち掛けられるタイミングはこの書面を受け取る時点になります。買付証明書が売主の手元に届くのは、内覧後約1週間が目安になります。
値引き交渉は当初から想定しておく
このデータをみてもわかるように、中古マンションの売買においては値引きが当然になっています。マンションを買う側はもちろん、売る側も仲介業者も同様に考えています。
つまり値引き交渉をどうやって防ごうかと考えるより、値引き交渉はあって当然というスタンスで、当初からマンション売却の計画を練ることがポイントになります。
交渉は堂々と行う
マンションを買って頂くというスタンスで購入希望者に接することは大事ですが、だからといって必ずしも売主が下手にでる必要はありません。
中古マンションというのは、全く同じ物件が2つや3つあるわけではありません。基本的にそのマンションはあなたからしか購入できない物件です。だからといって高飛車な態度は印象を悪くするのでNGですが、必要以上に下手に出なくてもOKです。
まずは値引き交渉される前に、どこまでなら値引きに応じるのか?家族や不動産業者とよく話し合っておき、値引き交渉に臨むようにしてください。
値下げ交渉をしてくる人は購入意志が高い
よく言われていることですが、値引きの交渉をしてくる人は、物件に対して興味を持っている証拠でもあります。
まったく興味もなく、購入意欲もない物件であれば、わざわざ値引きの交渉など持ちかけてくるはずがありません。候補物件の1つという可能性もありますが、それでも興味を持ってくれているのは確かです。
ただし中には、ダメ元で交渉してくる人と本当に予算が足りずに交渉してくる人がいます。どちらのタイプなのかを見極めることもポイントです。
その点は担当してくれている営業マンがある程度の情報を把握していると思うので、それとなく聞きだせるような関係性を築いておくことが重要です。
値引き金額を抑える賢い対応方法
売出価格が3,500万円なのに対し、買主から3,200万円を提示されたら、
「3,400万円までなら応じることができますが、それ以上になると少しお時間をください」
とまずは対応するのがおすすめです。あと1ヶ月待ってみて他に3,400万円以上で購入したい人が現れなければ、3,300万~3,350万円くらいの金額を提案するとよいでしょう。。
また、3,480万円で売却したいと考えている場合で3,300万円の価格を提示されたら、まずは80万円の端数を切り、3,400万円を提案してください。その後、買主から3,380万円でという流れにもっていければ、交渉成功です。
マンション売却の値引き交渉ではお互いに歩み寄ることが大切です。売主・買主ともに譲歩しあえれば、価格交渉が成立して契約に至ります。
売出価格の決める際の注意点
売出価格は、値下げすることを前提に「値引き交渉も含めた価格」に設定しておくことがポイントになります。
例えば、売却希望価格が3,500万円の場合、実際の売出価格は3,600万円で高めに設定します。3,600万円で売り出し買主から3,500万円と提示されれば、予定通りの価格で売却できることになります。
上記の対応方法のように上手くいけば、3,500万円まで値引きしなくても売却できる可能性もあります。
売却希望価格を高く設定しすぎると、いつまで経っても売れないか、大幅に値引きをするかのどちらかになりますので、適正な売却希望価格を把握しておくことが重要なポイントになります。
基本はお互いの希望価格の間を提案
事前に「ここまでなら値引きしても良いだろう」という価格を決めておくと、買主から値引き交渉があった場合にも慌てずにスムーズな対応ができます。
そのため「売りたい価格」と「最低でもこの価格で売りたい」という二つの希望価格を事前に用意しておくようにしてください。この売り出し希望価格と最低希望価格の値段の差が、売主にとっての値引き交渉可能額になります。
仮に、3,480万円の物件に対し3,400万円の値引き交渉をされた場合、売主が「間をとって3,440万円はどうでしょうか?」など、お互いに40万円ずつ譲歩したりと、買主とのやり取りの中で、お互いの希望価格の間をとって提案すると値引き金額を抑えることができます。
上手な値引き交渉術
売主と買主の希望価格が一致すれば交渉もスムーズにいきますが、売主が想定していた価格よりも大幅に値引き交渉されたときには、いくらなら購入できるのかを買主に聞き出すことがポイントです。
売主側から、「この価格でどうですか?」と指定してしまえば、それ以上の価格で売却することはできません。
しかし、「こちらも精一杯努力いたしますので、どの位の金額でしたら出していただけますか?」などと、買主に低姿勢で歩み寄ることで必要以上の値引きを防ぐことができます。
人気のマンションでは慌てず交渉に臨む
立地が良いマンションや、人気の高いマンションは多くの人が購入したいと思うので、資産価値が下がることはありません。
そういった物件の売却では多くの購入希望者が予想され、値引き交渉も多少強気に対応することができます。物件を売却してから1週間もたたないうちに複数問い合わせがあった場合は、人気の高い物件だと思っても良いでしょう。
だからといって、相場よりもかなり高めに売り出し価格を設定してしまえば、申し込みも入りづらくなるので注意してください。あと、人気マンションの売却では売主が優柔不断になって売却のチャンスを逃すケースが多いです。
様子を見るのは長くても1ヶ月くらいまでにしましょう。
このようにマンション売却では値引き交渉が当たり前になっていますが、この記事で解説したポイントを抑えておけば値引き金額を抑えることができます。ぜひ実践してみてください。
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